神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

神保町の東條書店と幸徳秋水


神保町にあった東條書店と幸徳秋水に関係があったらしいことは、昨年8月19日に言及したところである。この両者の関係について、きだみのる『人生逃亡者の記録』(中公新書)に書いてあった。明治43年4月に東京開成中学編入学したきだが、学校から帰りによく寄った「東条書店」*1の番頭が清どんといって、後になって知ったことだが、「幸徳秋水が最後にスパイをまいて行方をくらましたとき手を貸してやった人物だ。店からはいった秋水は、部屋を通って裏口から脱走し行方不明になった。このため清どんは警察に引っぱられ幾日か取調べを受けた」という。

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今週の黒岩さんの書評は、次のどれだろう。

『IN』 集英社 桐野夏生

足利尊氏と直義 京の夢、鎌倉の夢』 吉川弘文館 峰岸純夫著 

『環境を〈感じる〉――生物センサーの進化』 岩波書店 郷康広、颯田葉子著 

『貿易の嫉妬 国際競争と国民国家の歴史的展望』 昭和堂 イシュトファン・ホント著 

秋田蘭画の近代 小田野直武「不忍池図」を読む』 東京大学出版会 今橋理子著 

サガン 疾走する生』 阪急コミュニケーションズ マリー=ドミニク・ルリエーヴル著 

『官僚病から日本を救うために』 新書館 岸田秀著 

『海松』 新潮社 稲葉真弓著 


『IN』だったりしたら最も意外だが、それはないから、女性つながりで『サガン』かしら。

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なんと『秋田蘭画の近代』でした。これは、私の趣味の世界の本だが、黒岩さんが書評の対象に選ぶとは予想外。
私は、高橋克彦写楽殺人事件』で写楽別人説の一つとして秋田蘭画家説が提出されているのを読んで関心を持っていたのだろうか。幾つか関連書も買っている。

成瀬不二雄『曙山・直武』三彩社・・・キクオ書店(京都)で購入
同『江戸の洋風画』小学館・・・まさ書店(和歌山)
鷲尾厚『解体新書と小田野直武』翠楊社・・・文庫堂(京都)
野村敏雄『源内が惚れこんだ男 近世洋画の先駆者・小田野直武』プレジデント社・・・あべの古書店(静岡)
細野正信『亜欧堂田善・須賀川が生んだ銅版画家』(ふくしま文庫)・・・書肆アクセスにもなく、福島県古書店の合同目録で入手したと思う。


以上は古本で、成瀬不二雄『佐竹曙山』(ミネルヴァ日本評伝選)は新刊で購入。
肝心の「不忍池図」だが、神戸市立博物館、板橋区立美術館はよく行ったので、洋風画関係の展覧会で展示されたことがあれば見ているだろう。所蔵している秋田県立近代美術館は行ったかどうか覚えていないが、秋田市立千秋美術館は一度だけ行ったことはある。
私が読んでいたころから、更に研究が進んでいるようなので、黒岩さんのお勧めに従い、読んでみようかしら。
秋田蘭画の近代―小田野直武「不忍池図」を読む

*1:神保町の角から二軒目、岩波小売店と岩波ビルのあるあたりにあったという。