ストラヴィンスキーの《春の祭典》の舞台デザインを担当したニコライ・レーリヒについては、ウィキペディアにも立項されている*1ほか、加藤九祚『ヒマラヤに魅せられたひと―ニコライ・レーリヒの生涯』に詳しい*2。未見だが、大正15年には竹内逸訳で『美と慧知の生活』が刊行されている。このレーリヒの米国滞在期間と三浦関造のそれとは重複しないと思われるが、三浦がレーリヒに言及している一文がある。三浦の「米国に気を吐く管[ママ]野衣川=東洋神秘詩人として名ある=」『日本及日本人』昭和7年1月15日号によると、
去る十月十三日、私は海外の旅を引上げて、帰国の便船を待つべく桑港に出で、その晩久しぶりにエマソン夫人を訪ねた。夫人は音楽家であり、東洋藝術の研究家であり、且つ愛すべきミスチクであつて、桑港白人間の社交界を切つて廻してゐる変り者である。(略)
話を結論すべき時が来たので、私はかういつた。
米国には精神的の一大方向がない。(略)アメリカに一大精神的方向を与ふるものは、東洋神秘の中から出て来たニコラス・ローリヒ氏やウイリヤム・ペリー氏の運動にこれを認めるべきであるが、更に夫等の運動に現代的思想体系を明かにし、一切の宗派、団体を超越して、普遍的に訴へ込む詩的、予言的熱情がなくてはならぬ。ホイツトマンもエマソンも初めてこゝに甦る。(略)
戦前レーリヒについて語る人がいたとは、驚きますね。
なお、三浦は、この時、詩人菅野衣川の夫人ゲルトルード・ボイル・カンノにも出会っている。
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そのうちマスクを着用しないと入店、入館できなくなるのではないかと想像したりしてるが、速水融『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』によると、スペイン風邪の時、マスクを着用しないと電車への乗車を禁じる府県令が香川県で出たらしい。
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鎌倉文学館「有島三兄弟展」<関連イベント>
■文学講演会「有島兄弟−里見紝を中心に」
講 師 : 小谷野敦(比較文学者、作家)
と き : 6月16日(火) 15:00〜16:00
と こ ろ : 鎌倉市生涯学習センター ホール
詳しくは「http://www.kamakurabungaku.com/event/index.html#01」
■文学講座「有島三兄弟」 ※3回連続講座
と き : 第1回 「有島武郎」 6月2日(火) 講師 紅野敏郎氏(日本近代文学研究者)
第2回 「有島生馬」 6月17日(水) 講師 酒井忠康氏(世田谷美術館館長)
第3回 「里見紝」 6月24日(水) 講師 小谷野敦氏(比較文学者、作家)
詳しくは「http://www.kamakurabungaku.com/event/index.html#02」
4月29日には鎌倉で山内静夫・武藤康史・小谷野敦の鼎談があったらしい。
*1:「ニコライ・リョーリフ」として立項されている。