神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

芹沢光治良と小田秀人(その2)


勝呂奏『評伝芹沢光治良』によると、芹沢の『人間の運命』第二部第二巻「嵐のまえ」に小田秀人をモデルとする人物が出てくるという。

また、松木に絡めた天理教や知人で大本教の信者になった小川健人への言及も、作品の厚みを増す役割を果たしている。ここでの松木が松本一三を、五郎が武夫を、小川が小田秀人にモデルを仰いでいることは、改めて断わるまでもあるまい。


「嵐のまえ」第十三章を見てみると、

客は一高時代の二年先輩で、よく寮の図書館で顔をあわせたことがある小川健人であった。(略)一高時代から詩人で、三年の時には、教室に出ないで、一年中夏服で図書館に籠るような変り者で、大学は二木と同様に京都の哲学に進み、卒業の年に、ジンメルの哲学を訳したり、詩集を二冊出したりして、将来を嘱望されたが、その後、大本教の信者になって、詩も哲学もすてたという噂を、次郎は帰国後、聞いた。


とあった。青桃氏が言っていたのは、このことだろう。


(参考)昨年12月27日

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あべの古書店(静岡浅間通り商店街)で覚えているのは、森銑三の文庫や、櫻澤如一の本を買ったこと。買ってはいないが、志多三郎『街の古本屋入門』があったことをなぜか覚えている。入って左手の奥に、映画関係とか専門書がどっさりある一角があったような気がする。それと、古本業界に入りたいという人からの相談の電話を受けていたのか、「この業界は不景気になったら真っ先に影響を受け、好景気になっても一番後から景気がよくなるところです」みたいなことを言っていたこと。なんか大変そうと思ったりした。
ググったら、某氏も同書店について書いてた。→「http://www.geocities.co.jp/modernpyramid/bookstore/seishin.html


林忠正』出ました。
林忠正―浮世絵を越えて日本美術のすべてを (ミネルヴァ日本評伝選)

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まことに失礼しました。某誌自体が大正6年4月創刊ですね。おかしいなあ。猫猫塾で修行しなおそうかしら(汗)