神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

里見とんのもう一人の兄佐藤隆三


里見とんの二人の兄、有島武郎・生馬はよく知られているだろうが、もう一人佐藤隆三という人がいる。
この人も秋田雨雀の日記に出てくるので、見てみよう。

昭和7年7月4日 三越に五星会の展覧会。発起人の一人としていってみる。小山内薫君が岡田女史と一緒にみにきていた。辻永氏(洋画家で羊をよく主材とする人)の展覧会もあった。生田葵山氏にもあった。里見弓享の兄の佐藤氏にも紹介された。


里見とん伝によると、この年の夏ごろ、佐藤は恩地剛(孝四郎の兄で、とんが幼いころ出入りしていた恩地家の息子)の庭園で働いていたという。里見と恩地孝四郎の関係からいって、孝四郎による装幀の本が多そうなものだが、実際は『直輔の夢』(改造社大正12年1月)、『里見弓享集』(春陽堂昭和4年2月)の二つだけが確認できる*1

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林哲夫「ふるほんのほこり」第3回(『ちくま』3月号)は、古本系ブログの話で、わすも利用させてもらっている「本街探偵」などが登場。


内澤旬子さんが書いているのは、「平和祈念展示資料館」のことだと思われる。

*1:ググると、『文章の話』(新潮社、昭和12年4月)も加わるか。