神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

婦人交際会とお近づき


黒岩さんの『『食道楽』の人 村井弦斎』で法学者穂積陳重の妻歌子の日記を活用していたことは、強く印象に残っている。さて、その歌子の日記に「婦人交際会」なる興味深い団体が出てくる。

明治24年4月30日 婦人交際会より明日招かれしが、気分すぐれざるゆへ鳩山奥さんへ手紙にて断り遣す。


原注:ここにいう「婦人交際会」は不詳。すでに十九年十二月二十六日の「郵便報知」紙に「婦人に関する本年中の新設団体」を列挙する中に、「東京女子交際会」「東京婦人交際会」「東京貴婦人交際会」の名があり、二十年の九月三日の同紙は「お先っ走りの婦人交際会が流行」と題して、「東北の諸県」の「鎮台士官、裁判官、県官または郷紳の夫人令嬢達」の動きを冷評している。ここでも春子は積極的、歌子は消極的である。


「東京婦人交際会」は、明治19年ではなく、20年に発足したようで、読売新聞同年11月23日によると、「会員は朝野名士の夫人其他相当の智識ある婦人を以て組織さるゝ由」で、「来る廿六日其発会を富士見町富士見軒に開かれ紹介会食談話等ある由なり」という。


交際会というのは、面白そう。『明治ニュース事典第三巻』で、19年12月26日の郵便報知を見ると、「昨日発兌の女学雑誌によれば、本年中に全国の婦人に関する諸学校の新設及び新設の計画ある所は十一ケ所、女子の集会は二十二種」として、前掲の団体のほか、東京海軍軍医夫人会、東京婦人智職[ママ]交換会、東京婦人矯風会、横浜婦人交際会、京都婦人集談会、神戸婦人禁酒会などを挙げている。


東京貴婦人交際会には、ちょっとお近づきになりたいオタどん(笑)

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婦人公論』。スキ(?)をうかがい、読みました。