神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

演出家としての里見とん


里見とんの話ばかり続くが、けふもまた。秋田雨雀の日記に、

大正7年10月2日 芸術座の研究劇についての意見が、読売にではじめた。上下二回。舞台が一通りできた。「誘惑」も「死と其前後」もりっぱな舞台だ。新しい芝居ができて以来の舞台だ。八時すぎから舞台稽古にかかり、朝五時までかかった。有島、長田、里見の諸君といっしょにおしまいまで舞台稽古をみた。(略)芝居が終えてから、島村さんがブドー酒をごちそうした。


    10月3日 (芸術座研究劇の初日。長田、里見、田中の諸君と江戸源でおでんをたべながら話した。)


「誘惑」は長田秀雄作、「死と其前後」は有島武郎作。有島の年譜によると、

大正7年10月3日 藝術座第三回研究劇として、「死と其前後」を藝術倶楽部で上演(七日まで)。配役は妻(松井須磨子)、死(田邊若男)、夫(高山晃)、医師(野添健)ら。
「色彩や光線等舞台装置については生馬」、「演出法に就いては里見弓享」が協力、「有島一家総出の芝居」と評される。


という。

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ちょっと前、東横線で渋谷に向かっている時に代官山駅に着くと、そこで降りがけの女性が、私の隣に座っていた女性に「失礼ですが、お召しのブラウス表裏逆だと思います」と言って出て行った。隣の女性は何も返答していなかった。場所柄、注意した女性はブティックの店員だったのだろうか。ブラウスがどんな状態だったか気になったところではあるが、武士の情け(?)で、じろじろ見ずに、降りる時も私が先に降りたのでよくわからなかった。しかし、裏表逆で気付かないなんてことがあるのだろうか。そういうわしも、靴下やシャツは裏返しに着ていることはあるが(汗


本の雑誌』3月号「今月の畠中理恵子」は「退屈男」さんの話(と、総括してよいだろう)。
文學界』3月号の「『本の雑誌』もあぶない」(椎名誠)も立ち読み。