大正6年9月に一高分科乙類(英文)に入学したばかりの川端康成が、市河彦太郎の『小さき芽』を読んでいた。川端の日記*1によると、
大正6年12月25日 隣りの十五番室[に]誰かゞ置いて行つた「小さき芽」をだまつて借りて来たのだが今日読み了つた。昨夜細川さんの下宿から帰つて、床で百頁ほど。そののこりは例の弓術道場の裏近くの堤に[ねそ]よつて読んだ。
要するに創作としては駄目である。私にさへ真に幼稚と云ふ感じを与へ、これ位のものなら立派に漫罵出来ると思へる程馬鹿らしいものである。
(略)
こんな通俗小説の如きものを読まされたのは、著者の市河彦太郎氏が本年夏、一高の英法を出た人であると云ふ好奇心に導かれたのである。
凡例:[ ]は、著者が一旦書いて消した部分を示す。
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岡崎武志氏による里見とん伝の書評とは、日経であった。これで、増刷間違いなし!?
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今年の「不忍ブックストリートの一箱古本市」の日程が、決まったらしい。
日時 5月3日(日)& 5月4日(月祝)
時間 11時〜16時(両日とも)
↓朝日で紹介された谷根千工房編著『ベスト・オブ・谷根千 町のアーカイヴス』(亜紀書房)。奥付に、しっかり「編集 河上進」と、南陀楼さんの本名が記されている。お疲れ様でした。