神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

讃・『編集者 国木田独歩の時代』


角川財団学芸賞を受賞した黒岩比佐子『編集者 国木田独歩の時代』(角川選書)への姜尚中氏の選評が、『週刊読書人』12月12日号に載っている。御本人からは書きづらいかと思うので、わすが引用しちゃう。

黒岩さんの作品も本当に素晴しい作品で、大学の外でいろいろな史料に接近する機会になかなか恵まれていない、在野の方が史料を集めるだけでどれだけ苦難を味わわれたかということは忖度するに余りあるが、その中で明治時代を駆け抜けていった青年群像を『独歩社』を中心として見事に甦らせている。そこにはおそらく今の日本のやや沈滞したムードに対するある種の問題関心があったのではないかと思う。編集者、ジャーナリストとしての国木田独歩がまさしく生き生きと甦るという物語性の点でも非常に優れた作品だったと思う


確かに黒岩さんの本は、過去の忘れられた人とか、知られざるエピソードを掘り起こすだけではなく、それを基点に現在の政治・社会状況などの問題点に光を当てていくところに特徴があるのではないかと、私も思っておりました。


そうそう、黒岩さんの『明治のお嬢さま』(角川選書)もゲットした。