神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

書籍切手の発案者うさぎ屋誠こと、望月誠(その2)


『近代料理書の世界』には、うさぎ屋誠について、前田愛『近代読者の成立』所収の「明治初期戯作出版の動向」からの引用もあるのだが、当該引用部分以外の所に、書籍切手に関する言及があるので紹介しておこう。

明治の新聞広告史は兎屋の誇大広告にその数ページを割かなければならないだろう。兎屋の特売広告は一月か二月に一度の間隔で諸新聞の広告面を数段、ときには全面にわたって占領した。(略)広告に現われた奇抜な企画を二、三拾ってみると、十七年の三月には書籍切手を発案、「在国の父兄より東京に遊学せらるる子弟に書物代価を郵送なされ候節は此切手御用になされべく云々」と書生の遊蕩防止の効能をうたって、二週間のうちに千六百枚を売りさばき(略)


前田愛も兎屋に注目していたのだね。

                                                                        • -


読売新聞」さんによると、立教大学が来年3月『大衆文化』創刊(本年3月に創刊準備号刊行)、二松学舎大学が来月『横溝正史研究』創刊。