神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

エリアーデの『ムントゥリャサ通りで』を凄いと言った男


再び若島正先生に登場してもらう。「マイトレイ」*1に、

今から二十年前のこと、京都にエディシオン・アルシーブというグループがあって、《ソムニウ【夢】》というタイトルの幻想文学研究誌を季刊で出していた。この雑誌は四号出てちょうど一年で廃刊になったのだが、わたしは二度ほど寄稿したせいで、編集スタッフの一人だった横山茂雄氏に誘われて、そこのワークショップに顔を出したことがある。その席では、わたしがそれまでに聞いたことがない作家名やら作品名が次から次へと話題として飛びかい、大きな刺激を受けて帰ったことを憶えている。エリアーデの名前を初めて耳にしたのは、間違いなくそこだった。「エリアーデの『ムントゥリャサ通りで』、あれは凄いで」と誰かが言った。


とある。


この『ムントゥリャサ通りで』が凄いでと言った誰かとは、某氏の可能性は10%くらいあるかしら。
横山氏(現在は奈良女子大学大学院教授)は、林哲夫氏の「daily-sumus」にも出てきたはずだが、うまく検索できない。←とりあえず「http://sumus.exblog.jp/6801905/」(横山氏の筆名は稲生平太郎)。他にも出てた気がする。


(おまけ)猫猫先生は、『マイトレイ』への「ウォッチ文芸」*2で次のように書いている。

ミルチャ・エリアーデという名前は、なぜか日本ではもっぱら宗教学者として認知されている。けれど少なくとも私にとっては、エリアーデは「小説も書いた学者」ではなくて、「学者でもあった小説家」である。それは、宗教学という学問の、学問としての怪しさ(いい意味での)とも関係しているはずだが、ここでは述べない。

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7日発売のちくまプリマー新書佐野眞一『目と耳と足を鍛える技術』あり。
わしが佐野氏の解き残した謎を多分解いたことは、8月14日及び10月3日参照。

*1:ミルチャ・エリアーデ『マイトレイ』付録、1999年7月。『乱視読者の帰還』所収

*2:『軟弱者の言い分』所収。文庫版は未収録。