神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 もう一つの皇道主義図書館


終戦の日だからというか、なのにというべきか、早速、並木軍平の皇道図書館*1とは別の皇道主義図書館の話。


ある図書館開館の記事によると、

此の秋に当り、吾等×××××××××××は、郷土の脚下より皇道精神を湧起せしむべく、独力万難を排して図書館を創立するに至つた。我等は百の「精動」より一の良書なることを信じて疑はない。
今や一社員と商人たるとを問はず、皇道の把握は国民たる者の義務なりと信ずる各位の閲読を要望して止まない。開館に際し、終始絶大なる後援を賜りし郷党の先輩××××氏に謹んで感謝の意を表す。
附  記
一.開館時間 毎日午後五時より午後八時迄
一.場所 足尾町松原 長井菓子店隣
一.図書目録は近日進呈
昭和十四年十月一日


蔵書千部でスタートしているので、極めて小規模な私設図書館だが、内容は相当濃かったようだ。
「本図書館は、大衆文藝や、卑俗なる小説を排し、日本精神、大亜細亜思想其他精神修養に資するものを集めました」という。
この図書館を設置した団体だが、賛助員の中には、今泉定助、増田正雄、櫻澤如一といった名前が見える。ああ、大東亜図書館学と大東亜トンデモ学は、ここでも融合していた。

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講談社文庫から新装版(2分冊)として、宮崎康平まぼろしの邪馬台国』が出てた。11月にロードショーがあるらしい。

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斉藤守彦『宮崎アニメは、なぜ当たる』 (朝日新書)。誰ぞによると、ぽにょはハズレらしい。