6月1日午後は、「アンダーグラウンド・ブック・カフェ」の講演会(東京古書会館)。
「モダニスト佐野繁次郎の装幀について+佐野本の集め方」(林哲夫+西村義孝)、「編集者・国木田独歩と謎の女写真師」(黒岩比佐子)。
さて女写真師である。
近代女性文化史研究会『大正期の女性雑誌』所収の斎藤美穂「婦人雑誌における身の上相談」によると、大正5年1月7日の『婦人週報』に鹿児島から上京した26歳の女性が将来女写真師になりたいという相談を寄せているという。
『婦人週報』を見てみると、「慰安録」中に「女写真師に」というのがあり、
東京時事の広告を読み、神田の写真研究所より規則書を取寄せて見ました。それによると三ヶ月で一人前の写真師になれる。尚速成科は一ヶ月で修行が出来ると書いてありました。
黒岩さんがその正体を確認した日野水ユキエの通ったのは牛込の「女子写真伝習所」なので、それとは別の学校のようだ。日野水の活躍にあこがれて自分も写真師にということなら面白いが、そうではなさそうだ。相談の回答者は、「女写真師は広い東京にもあまり見当たりません。(略)写真研究所の三ヶ月卒業などは信用がなりません(略)いかなる仕事でも五六年の修行をせねば一人前になれぬ事を御承知なさいまし」と諭しているから、この女性は女写真師になることはあきらめたかもしれない。
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