神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

宮澤賢治と霊智学


宮澤賢治といわゆる「霊智教メモ」についての先行研究としては、香取直一氏によるものがある。
未見だが「宮沢賢治、その魅力 19」(『東洋の人と文化』45号、平成元年5月)に詳しいらしい。


大正15年1月に開設された岩手国民高等学校における賢治の「農民芸術概論」の講義を聞いた伊藤清一の「講演筆記帳」には次のように書かれている*1。これが「霊智教メモ」と言われるものである。

農民芸術
一月三十日 花巻農学校 宮沢教諭
 トルストイの芸術批評
 最初の酒造り
 第一幕 畑
  傾向芸術、
  唯物史観
  (霊智教)
  現在の学問、科学では霊媒を認めないが精神感応だけは認める様になった、
 (略) 


賢治はどのようにして霊智学(神智学)を知ったのであろうか。ここはやはり、神智学に堪能なma-tango氏によって、賢治をめぐる田中智学、ポール・リシャール、タゴールといった大アジアトンデモ活劇、じゃなかった、大アジア心霊活劇の謎解きが待たれるところである。

*1:『新校本宮澤賢治全集』第16巻(上)補遺・資料 補遺・資料篇