神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

太霊道で卒論を書いた学生


勝本清一郎というと、『座談会明治文学史』、『座談会大正文学史』だが、後者に太霊道が出てきた。

柳田(泉) それよりも新興宗教の方をいうと、一時勢力のあったのは大[ママ。以下同じ。]霊道の田中守平、これは一代を風靡したもので、学生も信仰したものがいたのです。大霊道と大きく広告を出して「汝ら、悔い改めよ、自分の教えを信仰しなければ、いまにひどい目に会う」ということばかり広告していた。学生にも信者があって、卒論に研究した人もいたのです。同じ田中でも思想家の田中王堂、これは当時の評論壇の第一人者であったので、誰でも知っていますが、この大霊道の田中も有名であった。


瀬沼(茂樹) どうして皆大正時代に、宗教にいったんでしょうね。


柳田 それはやはり、自然主義の反動が大きく働いたところがある・・・・。


豊島与志雄太霊道に関心を示していたことは昨年9月15日に言及したが、卒論に研究した学生までいたとは・・・

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東京大学出版会のPR誌『UP』は、毎年4月号は「東大教師が学生にすすめる本」特集。唐沢かおり(人文社会系研究科・文学部 准教授/社会心理学)が斎藤美奈子『物は言いよう』、村上郁也(総合文化研究科・教養学部 准教授/心理物理)が筒井康隆残像に口紅を』を挙げていた。小島毅(人文社会系研究科・文学部 准教授/中国思想史)が『丸山眞男講義録』を挙げて次のように書いているのはちよっと笑えた。

戦後を代表する学者による法学部での講義の記録。論文よりも要点が簡潔に示されていえて理解しやすい。ただし、教師の立場で読むと、授業準備ってこんなに綿密にしないといけないのか、とプレッシャーになる本。

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アートを楽しむ京都地図本』(京阪神エルマガジン社)なる本が出てた。「恵文社のひみつ」掲載。