戦争中の食生活というと、一升瓶で米をつくシーンを思い浮かべてしまうが、勿論そういう貧しい人ばかりではなかった。古川ロッパの日記によると、
昭和18年4月15日 ハネると久保田万太郎・里見紝両先生・徳川夢声四人で車、明治座裏の堀川へ。オールド・パア一本、ホワイトラベル一本持参。ぼうずの鶏鍋が出る。かくて此の二本を空にする迄、語りつつ食ひつ、−食ったものは、鳥鍋にすしに、鮭茶にかす汁、暁方に至ってざう煮というふのだから先ずふんだん。小説の話、芝居の話、里見紝のいゝ声で、お談義があり、夢声と僕は屡々喧嘩となり、怒号し、おでこを打つ等のことあり、大分酔ってるから相当荒れたが、午前五時半に揃って、堀川を出た。
戦時下とは思えない馬鹿騒ぎだね。やはり「贅沢は敵だ」ではなく、「贅沢は素敵だ」ったようだ。
(参考)夢声の日記では、次のとおり。
有楽座閉場後、ロッパ氏と、里見、久保田両氏を招待、明治座裏「堀河」に行く。
大いに文学談や、演劇談を拝聴。
乱酔。醜態。
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集英社文庫から出た小路幸也『東京バンドワゴン』。下町の古本屋の家族の話みたいだが、小説としての出来はどうだろう。
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『朝日新聞』の別刷『be on Saturday Entertainment』で連載中の「サザエさんをさがして」は「伝書バト」の話で、黒岩比佐子さんの『伝書鳩』(文春新書)を引用。
学研の『はじめて知るみんなの未来の仕事』は見つからず。