神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

永井荷風と澤田卓爾


『考證永井荷風』の秋庭太郎が澤田について多少詳しく書いている。

同月[昭和7年10月]十四日夜、荷風は銀座オリンピックに於て日本大学教授澤田卓爾、同岡本隆治と逢つた。(略)澤田は荷風と同年輩の浜松出身の英文学者、明治大正の文学に造詣深く、谷崎潤一郎佐藤春夫とも親しい仲であつた。佐藤の『小説永井荷風傳』に屡々登場する文学者瀬沼なる人物は澤田がモデルである。澤田は中学時代に藝者屋街日吉町附近に住んでゐたことがあり、その頃の新橋界隈に精通してゐ、また明治時代にアメリカに留学した経験もあつて、荷風との話柄も豊富であつた。


『幕末明治海外渡航者総覧』には澤田は出てこない、残念!


(参考)『断腸亭日乗』から

昭和7年9月19日 神代氏来り沢田卓爾氏を紹介す。


    10月14日 夜銀座オリンピクにて偶然沢田卓爾 日本大学教授 岡本隆治 同校教授の二君に逢ふ。 


  12年1月15日 又沢田君のはなしに目下好評の活動写真桑港の震災なるものを見たりしに、人物の服装市街の光景悉く震災当時のものに非らず、皆現代の風俗なり。(略)沢田君は当時桑港に在りて親しく災禍の状を目撃せし人なり。余は其頃紐育に在りき。明治卅八九年なるべし。


注:「神代氏」は、校正の神様、神代種亮

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