神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

独歩に続いて弦斎


長山靖生氏はいつも的確な記述をしている。
「日本SFは百五十年になる」『文学』(7・8月号)で

弦斎は一般的に通俗小説の作家とみなされており、『小猫』(明治二十四)は家庭小説の走りとされている。たしかに弦斎の小説は恋愛や家庭生活を扱ったものが多いが、そこに科学技術の進歩や発明が絡んでいるのが特徴だった。(略)
彼の代表作とされている『食道楽』(明治三十六)も、単なるグルメ小説でなはなく、食生活の進歩改良からはじまって衛生や家政の近代化などを小説仕立てで紹介する実地小説だった。あえていうなら、弦斎は小説を通して「未来生活」を発明しようとしたのである。


偽装表示など相変わらず食をめぐる騒動は続くが、これは「偽り」なく本当におススメの本であろう。
黒岩比佐子食育のススメ』(文春新書)。もう少ししたら店頭に出るみたい。ボーナスも出たし、どんどん買えるね。