神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

日本写真史に一石を投じる発見か


田辺聖子の祖父・父は写真館を営んでいたことは、NHKドラマ「芋たこなんきん」でよく知られることとなった。
田辺の「ハガとアイスクリン」(『新潮』平成9年1月号、『田辺聖子全集』第24巻)によると、

私のウチの写真館は祖父が明治三十年代後半に創めたものだ。大阪の写真館は長崎の上野彦馬系が多く、横浜の下岡蓮杖系は少ないといわれる。しかし祖父は何思いけん、東行して横浜へ写真修業にいった。彦馬・蓮杖とも写真館の開業は文久二年(一八六二年)といわれるが、蓮杖のほうがやや早かったらしい。両者は日本の西と東に於ける、写真家の鼻祖である。


田辺の祖父は下岡系の写真師だったようだ。
さて、12月10日発売の黒岩比佐子『編集者 国木田独歩の時代』(角川選書)には、女写真師が登場するらしい。多分下岡系なのだろうが、日本写真史に一石を投じる発見となるかもしれない。