神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

谷崎潤一郎を聞く二十歳の青木正美


後に反町茂雄にどつかれる青木正美が初体験を済ませ、古書店を開業することとなる昭和28年。
青木の二十歳の原点、『二十歳の日記』(東京堂書店、2003年1月)を読んだ。

昭和28年4月11日 十時だ。家でラジオの谷崎潤一郎の談話を聞いて来た。聞き手は中央公論社の社長島[ママ]中とかいう人、中々面白かった。が案外なのは話などしている時には偉い人も凡人もそれ程変りないということ、つまりそれ程下手な話であり、そこらの年寄が話をしているような田舎じみた声なのだ。そのくせ江戸っ子がどうの東京の女はどうのと云っている。芥川龍之介のことなど一寸面白かった。それと荷風には先生と云ったが、小山内薫は小山内さんにしてしまったという話など。


この番組は、4月11日の午後9時15分から45分までラジオのNHK第二で放送された「続谷崎潤一郎よもやま話」。
野上彌生子が聞いた谷崎については、昨年11月16日及び2月17日参照。


追記:「R25」に国会図書館ネタが。