神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

古本に群がる都筑道夫!植草甚一!!大橋健三郎!!!


都筑道夫『推理作家の出来るまで』下巻(フリースタイル、2000年12月)によると、

早川書房に入って間もなく、知らない古本屋から、電話がかかってきて、そういう図書館本を、大量に見せられたときのことを、いまでもおぼえている。古本屋ではなく、廃品業者だったのかもしれないが、名古屋以西のキャンプのライブラリイの払下げを、ぜんぶ集めてきた、という話だった。(略)
たえられないほどではないにしても、異臭は異臭だった。そのなかで、私は本の山をくずしていった。植草さんも、ちょっと遅れてきたから、こちらの目の色は、変っていたことだろう。外語大だったか、大学からきていたのは、大橋健三郎さんだったように、おぼえている。三人はそれぞれに、山をくずしにかかった。たしかにミステリやSFが多く、大橋さんはいくらか、がっかりしていたようだった。GI相手の図書館だから、大衆小説が多いのは、当然だったろう。


都筑の早川書房入社は昭和31年5月。大橋は、横浜市立大学を辞め、母校の東京外国語大学英米科に移っていた。後に名を成す三人だが、まだ無名に等しい頃の話だね。

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国会図書館常設展示は「近代日本と『国語』」


柳沢小実『フリペの楽しみ』(ピエ・ブックス、2007年3月)で、『古本共和国』が紹介されていた。他には、『LOVE書店!』も。他は、未見のフリー・ペーパーだった。