神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

最初の露探容疑者長田秋濤(その3)


外骨の『滑稽新聞』56号(明治36年9月5日発行)によると、長田と同時期にもう一人露西亜の犬と疑われた人がいたらしい。

露国の犬 是は其一名を売国奴ともいふ(中略)夫に近頃長田秋濤といふハイカラ文士や、恒屋盛服といふデモ政治屋等が、いつも露国公使館に出這入する処から、的切(てっきり)アレは露国の犬だらうと当推量のカラ騒ぎを遣ッた、臆病も斯うなッてはモー薬の盛様が無い、積ッても見るがいゝ、全体長田や恒屋なんかに却々(なかなか)犬だけの藝当が出来るものぢや無い、が併しドチラにした処で、彼等は碌な代物でないのぢや


恒屋盛服(つねやせいふく)という人物は奥武則『露国』にも出てこない人物。明治36年8月29日発行の『電報通信』に長田と共に名前が挙がっていたのだろうか。


追記:『本の雑誌』11月号75ページのコラムは『童貞小説集』に言及。書影つき。
   尾高修也『壮年期谷崎潤一郎論』(作品社)なる本がいつのまにか出ていた。


   『大阪春秋』秋号の巻頭対談「「プガジャ」と「ブレーンセンター」」(橋爪紳也・稲田紀男(ブレーンセンター社長・編集長))によると、再開された「なにわ塾」第1回講座(『プレイガイドジャーナル』(略称「プガジャ」)がテーマ)は来年3月「新なにわ塾叢書」として発行予定とのこと。