本好きの人にとっては、神保町全体がワンダーランドみたいなもの。そのワンダーランドを店名にした古書店がかつてあった。
1979年10月に開店しているが、開店まもないそのワンダーランドをma-tango氏は訪ねたことがあるという。さすが、あの『幻想文学』誌の残党(笑)、じゃなかった、最終号の執筆者である。
このワンダーランドの店主は蟻二郎といい、アメリカ文学者だった。学者が古本屋をやるものだから、ワンダーランドと名づけたものの、置いてある本は店主にとってはおそらく宝物だったのであろうが、売れなそうな本ばかりだったという。
ワンダーランドというと、私は、マイケル・ジャクソンよりも晶文社を連想するのだが、蟻はその晶文社から著作を刊行している*1。蟻が明治大学政治経済学部の講師だった期間を正確には把握していないが、少なくと1960年代末から70年代初頭にかけて在職している。この当時、明治大学文学部の助教授・教授を務めつつ、晶文社の編集担当役員だったのが、あの小野二郎であった。なんか、猫猫先生もさることながら、坪内祐三氏も好きそうな話になったね。
この古書店のワンダーランドって、何年続いたのだろうね。