神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

コックリさん、コックリさん(その1)


ちくま学芸文庫に収録された柴田宵曲の『明治風物誌』。
「コツクリさん」という項目があり、


1 坪内逍遥が『柿の蔕』に、明治19年頃、『今日新聞』の小西義敬に招待された席に、三脚と円盤*1が持ち出され、同紙の記者だった斎藤緑雨らとともにコックリさんをしたと書いていること


2 巌谷小波が18歳だった明治20年1月の日記に、コックリさんをしたことが書かれていること


3 また、小波が「コツクリ御殿」なるお伽噺を書いていること


が記されている。このうち、1と2は、既に一柳廣孝氏が紹介している事実だが、3は初耳だった。


柴田には、この「コツクリさん」の他にも、「催眠術」(『明治の話題』、青蛙房、昭和37年9月)*2という論考もある。

*1:2005年10月4日〜11月27日に中野区歴史民俗資料館で開催された「井上円了の民具コレクション−妖怪学の源流をたずねて」で、円了が収集したコックリさんの道具が展示されているのを見たことがある。

*2:これも、ちくま学芸文庫になっている。