神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

アジア復興レオナルド・ダ・ヴィンチ展


「アジア復興レオナルド・ダ・ヴインチ展覧会特輯号」となった『新建築』昭和17年8月号によると、同展覧会の会期は、昭和17年7月10日から10月10日まで。
朝日新聞の縮刷版を見ていたら、幾つかの事実が判明したので報告しておこう。
同年7月12日付け夕刊によると、11日に開会式が行われ、「ダ・ヴインチ展けふ開く」とあるので、始期は7月11日が正しいようだ*1。また、終期についても、斎藤茂吉が10月31日に、高松宮が11月1日に観覧しているので、延長されていたことは既に紹介したところ。


6月19日に紹介したけれど、茂吉が同年5月10日に見に行ったが駄目だったという話がある。
4月14日の新聞には、「五月初旬から上野池ノ端博覧会場で『アジア復興・レオナルド・ダ・ヴインチ展覧会』と銘打ち大々的に開催」とあるが、同月23日付けの夕刊では今秋開催となっている。更に、5月10日には「レオナルド・ダ・ヴインチ展記念音楽会 スメル音楽研究所主催で十二日後六時半より日比谷公会堂に開催、三浦環、原智恵子、松竹交響楽団が出演」とあった。茂吉は、音楽会開催の記事を見て、勘違いをし、ダ・ヴィンチ展が開催されていると思ったのだろうか。


大蔵公望も観覧していた。

昭和17年9月9日 食事後昌子と上野に行き、レオナルド・ダ・ヴィンチ展覧会を見物す。ダ・ヴィンチの多才ぶりに驚嘆す。


(参考)「書物蔵」によると、絵葉書が発行されていたらしい。

*1:当時の夕刊は翌日付けで発行