誰ぞも読んだ四方田犬彦氏の「先生」であった由良君美。その父は、由良哲次。
哲次の年譜を見ていると、昭和18年2月11日財団法人民族科学研究所研究員に併任とある。この研究所は、民族研究所の誤記だろうと思っていたが、別物であった。
『戦時下日本文化団体事典』第3巻によると、
財団法人民族科学研究所
所在地 東京都神田区駿河台中央大学内
役員 総裁 陸軍大将宇垣一成、副総裁 枢密顧問官中央大学長法博林頼三郎、理事長兼所長 医博池見猛
設立の目的及事業 民族の質的向上、量的増加と諸民族の融和
沿革及既往事業 民族科学研究所の設立は昭和四年頃の計画にして具体化は昭和十五年八月にして昭和十七年八月厚生大臣より財団法人の認可を受く
中央大学にも何やらあやしぃ〜団体があったようだね。
四方田氏が紹介している『民族国家と世界観』は、昭和18年9月に牛込神楽坂の民族科学社から刊行。この出版社もあやすぃ〜だすね。