神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

櫻井書店の組坂若松


昭和15年3月に設立された櫻井書店の編集部には秋元重男、広瀬得主、組坂若松、山本夏彦が勤めていた(櫻井毅『出版の意気地−櫻井均と櫻井書店の昭和』)。このうち山本夏彦については、山本伊吾『夏彦の影法師』(新潮社、2003年9月)によれば、社員としては昭和16年2月6日から3月11日まで勤務、退職後も同書店のために活動をしている。


組坂若松なる社員は、斎藤茂吉の日記でその名前を見ることができる。

昭和17年9月29日 ○面会者(中略)組坂若松(櫻井書店)(後略)


櫻井書店は6月6日に紹介したように、昭和17年3月17日の斎藤の日記にも登場する。斎藤の著作は、同書店から刊行されていないようだが、何の用事で斎藤の所へ来たのだろう。


無名(もしかしたら無名でない?)の編集者でも、日記の中にその名前を発見すると、そういう人が本当に実在したことが実感できて、ちょっとうれしい。