神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

戦時読書運動と関係はあったか市橋善之助


関根喜太郎の正体を知っていたと思われる後藤興善、八木敏夫斎藤昌三も今はない。昭和25年関根が経営したと思われる星光書院から『読書法と勉強法』を刊行した市橋善之助(いちはし・ぜんのすけ)も『日本アナキズム運動人名事典』によれば昭和44年12月31日に亡くなっている。

市橋は、同事典によれば、明治27年12月名古屋市生まれ。大正7年早稲田大学英文科卒業。石川三四郎に師事し、終生の友に村松正俊、安藤更生らがおり、運動家ではなく、日々の暮らしの中でアナキズムを実践する道を選び、啓蒙的な教育書を多く著したという。晩年は、亀有の自宅で英語塾を開き、地元の青少年の教育に尽くした。参考文献としては、出来成訓「民間英語教師・市橋善之助」(『外国文学』31号、1983年3月)があるとのこと。


市橋の著作としては、『幼児教育論』(三笠書房昭和16年)とか、『青年のための読書法』(青年書房、昭和17年)があるようだ。なんか、はほへほ氏や書物奉行氏の縄張りと関係がありそうな人だね。もっとも、経歴から言うと、戦時読書運動とは無関係か?