『宮本常一 写真・日記集成』別巻によると、昭和25年6月30日の条の後に、次のようなメモがあるとのこと。
(略)太宰治、田中英光の作品に心をひかれ、『チャタレイ夫人』を肯定する気持。木村艸太の『魔の宴』*1には最も心をうたれた。自らの中にある弱さに対して尚ひたぶるに夢を追う姿、それはまた私の姿でもあるようだ。併し周囲は必ずしもそうではない。もっと功利的に現実的に生きている。(略)
宮本は辰野隆の『谷崎潤一郎』も読んでいる(昨年12月2日参照)ことと、併せてとても興味深い。
『日本古書通信』のリストには漏れていたけれど、今年は宮本の生誕100周年とのこと。
4月28日からの府中市郷土の森博物館(一度行ったことがあるが遠い・・・)での「宮本常一の足跡〜旅する民俗学者の遺産〜」展など各地でイベントがあるようだ。
*1:昭和25年5月30日発行。木村艸太こと、木村荘太は上梓間近の4月15日に自殺。