神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

仮性トンデモ本だった『秋田雨雀日記』


秋田雨雀と、戦前期のトンデモ世界の王、酒井勝軍は共にエスペランチストという共通点があるほか、秋田のいとこが酒井のシンパだったという。
秋田雨雀日記』によると、

昭和10年4月6日 青森の木村哲郎が用足しにきて家にいる。(略)木村は妙な古代文化の研究をしている。酒井勝軍の「太古日本のピラミッド」という本をもってきていたので一読した。狂信者らしい迷想に陥っている。


昭和12年11月16日 木村哲郎(いとこ)が東京へきている。妙なファッショ思想をもっているのでこまる。酒井将[ママ]軍のところへ出入りしている。


昭和13年12月16日 午後四時半から東奥日報招待会で日比谷松本楼へいく。(略)戸[ママ]谷幡山*1が脱線(酒井将[ママ]軍組)困ってしまった。十時ごろ散会。(日本のファナティシズムには困ることが多い。酒井将[ママ]軍のユデヤ論なぞがその一つ。)


酒井勝軍については、昨年4月1日昨年4月5日を参照されたい。


追記:東京都現代美術館で、「ジブリの絵職人・男鹿和雄展」(7月21日(土)〜9月30日(日))。あの「トトロの森」を描いた人。子供でない、わしも行きたくなってしまうぞ。
(参考)男鹿和雄(おがかずお)は、同展のチラシによると、「「となりのトトロ」、「おもひでぽろぽろ」、「平成狸合戦ぽんぽこ」、「もののけ姫」らスタジオジブリ作品において美術監督を務め。「ハウルの動く城」など最近の作品に至るまで、主人公たちがいきいきと動くその舞台を描き続ける、アニメーション美術の第一人者」。

*1:日本画家の鳥谷幡山(とやばんざん。1876-1966)のこと。