神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

正宗白鳥『自然主義盛衰史』改め、『自然主義文学盛衰史』


講談社文芸文庫の『自然主義文学盛衰史』の印象が強いため、当初から『自然主義文学盛衰史』というタイトルかと思っていたら、初出の『風雪』(昭和23年3月〜12月、六興出版部)では「自然主義盛衰史」だった。その後、六興出版部版で『自然主義盛衰史』として刊行され、昭和26年10月発行の創元文庫版で初めて『自然主義文學盛衰史』となる。当時、正宗白鳥は健在だったけれど、著者本人の意向だったのか、出版社の都合だったのか、判明せず。文芸文庫の解説を書いた高橋英夫も、最初に創元文庫版で出会ったため「文学」の入ったタイトルで記憶していたとしている。


秋山駿『私小説という人生』で、「正宗白鳥の『自然主義文学盛衰史』を、私は早稲田第二高等学院に入ったばかりの若い頃、雑誌「風雪」の連載で読んだ」とある部分は少なくとも、誤解を与える記述かも。
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