神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

宮本常一と三角寛


宮本常一の日記*1によると、


昭和41年1月31日 アチックへゆく。かえりに渋谷で『木佐木日記』『岡本太郎の眼』などを買う。『サンカ物語』も。これは『サンカの社会』よりもおもしろい。私はこれほど1つのものを追いかけたことがない。


とある。『サンカ物語』は、三角寛山窩物語』(読売新聞社、昭和41年1月)のことと思われる。三角寛『サンカの社会』は朝日新聞社から昭和40年11月刊行。
宮本がサンカについて、書いたものとしては、「サンカの終焉」(『山に生きる人びと』(未来社、昭和39年1月)所収)が知られている。宮本はそこでは、

なおサンカについては三角寛氏の厖大な研究があるが、私はまだそのことについては何もうかがっていない。


と記している。個人的には、宮本には三角サンカについてもっと言及してほしかったが、学者としては深入りしなくて正解であった。
ところで、筒井功『サンカの真実 三角寛の虚構』(文春新書)の書評は、日経にはあったけれど、一種の当事者である朝日や読売には載ったのだろうか。


ついでに、余談だけど、宮本は『木佐木日記』なんてのも購入していたんだね。

*1:宮本常一 写真・日記集成』下巻、毎日新聞社、2005年3月