『秋田雨雀日記』第1巻から。
夜、生方敏郎君がきて、二人で銀座にでて、カフエ・ロシアへゆき、クリスマスデナーをすました。童話劇の俳優といっしょにお鯉のカフエ・ナシヨナルへいった。お鯉は桂公の愛妾だった。
お鯉と桂太郎については、黒岩比佐子『日露戦争勝利のあとの誤算』(文春新書)に出てきたよね。
ナショナルについては、安藤更生『銀座細見』(中公文庫)に
とある。
12月21日に紹介した「本郷カフエー」に言及した文人は、私は知らない人だったが、小谷野敦版谷崎潤一郎詳細年譜やカフェー関係の書に出てくる人であった。
*毎年、この時期は新聞等で書評委員による年間ベスト3が読めるので楽しみ。読売新聞で小谷野敦『谷崎潤一郎伝 堂々たる人生』(中央公論新社)を挙げている人がいた。来年は黒岩さんの新刊も出そうなので期待しておこう。