2006-12-05 村井弦斎と若山牧水 村井弦斎 若山牧水「おもひでの記」*1によると、 いま一人の叔父は村の寺の住職であつた。(中略)私が生れて初めて小説といふものを読んだのはいつもこの叔父の持つて来る絵入郵便報知新聞に載つてゐた村井弦斎作『朝日櫻』といふものであつた。振仮名を拾つて駒雄静子(?)の恋物語に胸を躍らせて読み耽つたのが最初であつた。この叔父も既う夙うに世を去つた。 牧水は明治18年8月生まれ。また、黒岩比佐子『『食道楽』の人 村井弦斎』によれば、『朝日櫻』は明治28年連載。 牧水の年譜*2によると、この叔父は、昌福寺の住職、金田大珍。 *1:『比叡と熊野』春陽堂、大正8年9月。『若山牧水全集』第7巻、増進会出版社、平成5年4月所収 *2:『若山牧水全集』補巻