「退屈男と本と街」11月21分を見るのが遅れて小谷野敦氏のラジオ出演は聞き逃したが、「たけくまメモ」を見る限り、ご機嫌はよかったようだ。
12月号が出ていないから、まだ最新号と言ってよい「彷書月刊」11月号については、「書物蔵」で言及されていたけれど、坪内祐三氏と亀和田武氏による『考える人』+『この雑誌を盗め!』刊行記念トークショー抄録に小谷野氏に関する言及が出ていた。
坪内 ぼくは、小谷野さんって、文章もうまいし才能もあって、本人も気づいてないある種の華があると思います。
亀和田 もてない男とはいっているけど、地味ではない。あざといほどのケレン味さえ感じます。
坪内 週刊誌のコラムなどをどんどん書いてほしい。ただ一つ問題なのは、人の間違いには厳しいけど、自分のものがけっこう杜撰だったりするところ。コラムは、単に批判すればいいというわけではないのが微妙なところです。批判は的確なんだけれど、得てして自分に関しては甘いというね。小谷野さんの場合、そのアンバランスがまたおもしろいんですけど。
トークの流れの中では全体としてはほめているのだなあとわかるのかもしれないが、活字にするとほめているのか、何なのかわからなくなってしまうものだね。
なお、タイトルの「タヌキ」の意味がわからない人は小谷野氏の『新編 軟弱者の言い分』(ちくま文庫)を読んでね。
追記:小谷野敦「猫を償うに猫をもってせよ 」が再開されている。が、あっという間に閉鎖されたようだ。