反町茂雄のライバル、明治堂書店の三橋猛雄については、青木正美『古本屋奇人伝』に詳しいが、同書にも書かれていない三橋の結婚披露宴についての記述が、吉野作造の日記*1にあった。
昭和3年1月13日 午後明治堂主人の依嘱にかゝる原稿*2を草す
昭和6年12月24日 明治堂にゆく 二三日前貰つた目録に依つて数点の買物をしようとしたのだが、皆売切れとは怠慢の罪致方なし
昭和7年6月28日 夕方早めにかへり服を改めて三橋猛雄君の結婚披露式にのぞむ 会場はブラジル会館なり 出席の事は明治堂主人からわざわざ来ての頼み 尤も頼まれなくとも招待あれば出る考えではある 客の中で知つた顔では藤井甚太郎君斎藤昌三君赤神良譲君がゐた 佐藤伝吉君もゐたが之は妙な顔ぶれだ
藤井甚太郎は明治文化研究会発起人のうちの一人。