マンガの中で伝書鳩を見た覚えがあるが、もしかしたら「のらくろ」だったのかもしれない。
『のらくろ一代記 −田河水泡自叙伝』によると、大正10年、22歳の田河は、陸軍一等兵として軍用鳩通信班に配属されるが、その時の中隊長の命令。
第十九師団軍用鳩研究班に配属せしめる。(略)今度フランスから中野電信隊へ軍用鳩をおくって来たので、そのうちの若干を寒地訓練にあてるため、十九師団におくって来た。(略)鳩は朝鮮の会寧に来ているから、明日、出発せよ」ということだった。
また、仕事は楽で、東京から絵の具箱を送ってもらい、将校の来ない日にはスケッチに行っていたという。
鳩班が楽だと言うのは、鳩の演習が楽だと言うだけでなく、戦闘教練も衛兵勤務もないからで、中隊の兵隊からは「鳩はいいなあ」と、うらやましがられたものだった。
わしも、鳩の管理だけなら出征してもいいかも。
といっても、伝書鳩班などもう存在しないか。
*この鳩は大正8年に日本に到着した千羽のうちの鳩かしら(「ユダヤ論者も伝書鳩が好きだった!? - 神保町系オタオタ日記」参照)。