神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

スタール博士の不幸(その2)


大正8年12月18日付け會津八一の今井安太郎(山形県米沢市)宛絵葉書(『會津八一全集』第八所収)によると、


拝啓 スタールが御地へ行きしことは、先日此問題にて淡嶋寒月翁と会見したる際、翁よりも聞き居り候。スタールは割合に著名なる男なれども、割合にあたまが悪しく拙者は大嫌ひに御坐候。何の為めに日本までやつてくるのか気が知れぬほどにて候。しかし蘇民将来に目をつけたることは、一寸ほめてやつて然るべく候。


會津八一に「大嫌ひ」と言われてしまったスタール博士。日本の知識階級層とはやはり知的交流は無かったか。