神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

書盗学者にして偽書作成者島田翰


「書物蔵」に出会うまでは、島田翰のシの字も知らなんだが、最近島田ネタが続々集まってしまったので、折々放出しよう。
「書誌学」(3巻3号、昭和10年3月)によると、昭和9年7月26日、安田善次郎邸で「偽書偽作座談会」が開催された。


○表に無暗に書名を並べ、引用書の偽造を拵へて居るのがある。


○それもよくありますよ。現に私共の知つてゐるまだ生きてる人間ですが、もうずつと老年になつてゐますがね(笑声)。


○それは例の島田翰のものには澤山ある。無いものを澤山挙げて、それを自分の説の根拠にして居る。やる方が悪いんぢやない欺かされるのが悪いのであつて、本気でやつて居るんぢやなくて冗談半分にやつて居るので、それにからかはれる方が悪い。


発言者は、匿名扱いとされている。出席者は、私でも名前だけは知っている人としては、安田善次郎市島春城和田萬吉川瀬一馬長澤規矩也。「だれじゃ」というのが、鹿島則泰、樋口慶千代、橘井清五郎、鈴木重孝。
匿名とは言っても、最後の発言者は、まず長澤規矩也ではないだろうか。