神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

鴎外のトンデモ、露伴の非科学


今回のタイトルは、勿論、長山靖生『鴎外のオカルト、漱石の科学』のパロディ。坪内祐三のマネをして、色々日記を読んでいると、おもしろい発見がある。

鴎外の日記にトンデモない人や面白い人が出てきたので、露伴がらみのトンデモネタと併せて紹介してみよう。


鴎外の日記、大正10年8月30日の条に、「火。雨。参寮。復椿山公。言富士文書神皇紀事。」とある。富士文書=神皇紀が登場するとは驚き!「竹内文献」や「上記」と並ぶ古史古伝だからね。
「椿山公」って。山県有朋のこと。山県と鴎外が神皇紀の話をしてるとは・・・
三輪義煕『神皇紀』が出版されたのは、この年の6月。反響の大きさがうかがえる一節である。


明治42年4月17日の条には、「濱名寛祐、大野政虎来話す。」とある。
濱名寛祐は、明治38年、日露戦争に従軍し、奉天城外の黄寺に駐屯中、後に契丹古伝と呼ばれる巻物を「発見」し、大正15年に『日韓正宗溯源』を刊行する人物。鴎外日記に「神皇紀」だけでなく、「契丹古伝」発見者まで登場しているとは・・・とほほ。