神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

情報官鈴木庫三とクラブシュメールの謎(その17)

8 ムー大陸の怪人と『新若人』の快人(承前)



親猶主義者とされる藤澤だが、『新若人』(昭和17年10月号)の「近代の終焉と新世界の誕生」では、次のようなことを言っていた。


皇国は唯むやみにユダヤ人を排斥せんとするものではない。彼等が世界各国から排斥せられて身の置き所がなくなり最後に日本にすがらうとする場合彼等の心からなる悔悟を条件として皇国は彼等を適当に始末しなければならないのである。このことは統ての対立を大調和の姿に於て解消せしめねばならぬ八紘為宇の大理想から要請されるのである。しかしその解決の具体的方策が如何なるものであるかは未だに明瞭ではない。或る論者はマダカスカル島若くはニューギニアユダヤ人国家を建設し彼等をして其の処を得しめねばならぬと主張してゐる。


これを見ても、やはり藤澤が親猶主義者だったというのは神話であろう。
満州ユダヤ国で、五族協和ならぬ、六族協和が夢見られたとは聞いたことはあるが、太平洋戦争開戦後も、まだユダヤ国を追い求める論者がいたとは・・・約束の地にしては、ちと暑そうなところだね。