退屈男さん:「では、次は僕が。これです」
書物奉行さん:「おっ!『皇道図書館目録』ではないか。
よく見つけたなあ!!若いのになかなかよくやるではないか。これで2冊目の出現だぞな、もし」
退屈男さん:「いや、いや、書物奉行さん、まなじりを決してよく見てくださいよ!」
書物奉行さん:「ん、『皇道図書館目録』・・・第2輯、だ、第2輯だと!『キター』、って言ってる場合じゃないぞ。天野敬太郎ですら、第1輯を確認していないのに・・・第2輯がこの世に存在するなんて!!
退屈男君、この本は君には10年早い!わすが、もらっておくだす、だす」
やおら、自分のリュックにしまいこもうとする書物奉行さん。それを取り押さえようとする周囲の人々。
神保町のオタ:「今日の古本合戦はハチャハチャになってきたぞ。セドローさん、何とか言ってください」
セドローさん:「こらこら、書物奉行さん。もちつけ、もちつけ。自分でセドってこそ、価値があるというものだ。
それに、『あるようでないは本、ないようであるは本』と、横山重の『書物捜索』にも書いてあっただろう。1冊あるということは、他にもきっとあるということだ。僕も、市では気をつけておくから」
書物奉行さん:「わすとしたことが、取り乱してしまった。す、すまなかっただす」
神保町のオタ:「皇道図書館の最大のスポンサーであったと思われる今泉定助は昭和19年9月死去、財団法人皇道社の本部は昭和20年3月の空襲で焼失しているので、第2輯が刊行されているとすれば、昭和19年8月以前かなあと思ってました」
注 「もちつけ」とは、「おちつけ」という意味のヲタ用語らしい。セドローさんが使うとは思えないが(汗