神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 「さぼうる」で夢の古本合戦

   今日も今日とて「さぼうる」で、仕事をさぼっている一団がいる。

   神保町のオタさん 「書物奉行さん、遅いなあ」

   退屈男さん    「いつものように、おっとり刀で駆けつけてくるんじゃないですか」

   神保町のオタさん 「風邪の方はどう?」

   退屈男さん    「ブックオフでうつされたせいか、咳まで『ブコフ、ブコフ』ってでるんで、まいりました」

   噂の主がやってきたようだ。

   書物奉行さん   「す、すまんだす。途中の均一台につかまってすまった。すまった、すまった、なんちて」

   一同       「困ったオッサンだ・・・」

   神保町のオタさん 「それじゃ、遅れてきた書物奉行さんからいこうか」

   書物奉行さん   「書物奉行、行きま〜す。『皇道図書館目録』はブログでも紹介したよね。今日の自信作は、皇道図書館がらみのコレ。『南洋諸島の古代文化』。チャーチワード著、仲木貞一訳。昭和17年10月発行で、初版3千部なのでよく見る本だけど、藤澤親雄から並木軍平宛ての献呈署名入りなのだ。しかも、皇道図書館の蔵書印もあるぞ!」

   神保町のオタさん 「それはすごい。その本の緒言に書いてあるけど、仲木に原書借覧の便宜を与えたのは、当時大政翼賛会調査部だった藤澤なのだよ。この本は、ムー大陸について書いた本。いやあ、やはり皇道図書館はトンデモ図書館だったのだなあ」

   書誌鳥さん   「仲木なら僕知ってるよ。大正12年に中村古峡の『変態心理』で「私の変態心理」というアンケートに回答しているね。劇作家だよ」 

   書物奉行さん  「アンケートと言えば、正月に読んだヨコジュンさんの『日本SFこてん古典』第2巻によると、大正9年の『日本及び日本人』の「百年後の日本」というアンケートにも仲木は回答を寄せているだす」 

   神保町のオタ  「仲木というのは、竹内文献の熱烈な信奉者だったんだよ。この本でも、訳者附記として、『キリストが西蔵に滞在中日本に来朝して、数年間神道を研究したこと、その後ゴルゴダの丘の十字架を遁れて再び日本に来朝、百余歳迄治病に従事して、青森県五戸在に死去。今日其所に墓があり、子孫の澤口家が其所に現存することは、余りにも有名な事実である。』と、同文献に基づくトンデモない追記をしているよ」


 (以下続く)

 注:これは、フィクションです。
   実在する個人、団体とは一切無関係です。
   実在する同名の方々は、まじめに仕事をしているはず(本当かなあ〜)。
   登場する同名の方々には、勝手に名前を使ってすみません。