朝倉文夫氏の美術界に於ける存在は力強き一種特異の光彩を
放つもので、其人と為り立派な親分肌で『美術界の頭山』と
の世評さへ耳にする事がある。さらにいへば朝倉氏の顔の大
きな方形の輪廓を始めあの秀れた逞しい鼻の恰好や、眼鏡の
底から閃めく強く而も潤ほいのある眼差など、頭山翁と似通
ふ或物を感ぜぬでない。この人に依つて頭山翁像の作られるの
は偶然でない。聞くところに依れば氏は翁をモデルにすること
僅か三分間位だつたといふ。神速の妙技に依つて氏獨特の頭山
翁を表現したものと思ふ。
(参考)朝倉文夫記念館で朝倉の蔵書の中に、『巨人頭山満翁』
(藤本尚則著)があるのを見たが、こういうつながりが
あったのだ。
皇道図書館名誉顧問今泉定助と朝倉は、ともに「上代文学研究会」
なる会を通じて関係があるようである。
ブログをさぼって、古本本でお勉強中。『古書肆・弘文荘訪問記
-反町茂雄の晩年-』(青木正美著)には、ぐいぐい読まされる。
時間の無駄(失礼!)だったのは、草森紳一氏と嵐山光三郎氏の新書。
書物奉行さんに加えて、書誌鳥さんまで見てるかもと思うと、緊張する
「ずら」(笑)、じゃない、「だす」。