[1921年]10月25日(記載)
10月26日(日付印)
柳田孝 殿
舩少しおくれて26日の午後か
27日に立つ、日本人があまり多
くて却つて煩しい 併し仲よしの
新村教授が同舩だ、南フランス
では珍しい所を多く見た、マルセ
ーユは新開の港町だが見事な
博物館がある 又非常に大きな
本屋がある、おき処が無いくらゐ
本をかつた、一生の中によんでしまへる
か知らぬ
マルセーユにて
国男
(参考)孝は国男の妻。
わすも既に読みきれないくらいの本はもっているが、
柳田に比べたら、値段も内容も恥ずかしいようなもの
であろう。