大正十二年の関東大震災の時、東京帝国大学の図書館が全焼の憂き目にあうと、紀州の殿様はその再建のため南葵文庫の書籍をそっくり寄贈してしまった。
現在、東京大学の総合図書館閲覧室に入ると、壁の上の方に南葵文庫と書かれた大きな額が掲げられているが、それはこうした事情による。(中略)
昭和8年、頼倫の息子の十六代頼貞の別邸用に大磯に移された。
(中略)
熱海の蓬莱旅館の女将が惜しんで引き取り、移築し、「ヴィラ・デル・ソル」という名の地中海料理の予約制レストランとして使わ
れている。
(参考)現在は、ホテル「ヴィラ・デル・ソル」内のレストラン「南葵文庫」となっているようである。誰か、ご馳走して!