『ドンキホーテ』などという古めかしいものの翻訳は、島村抱月には、ありがたくない仕事であった。それで了解は得て置いたのであろうが、片上伸に代訳せしめて、やや後れはしたけれども、その方の訳も完成を告げ、これは植竹書院から刊行した。菊版の大冊で、西洋の刊本から取った細密な挿絵が、豊富に這入っていたことを記憶している。
(参考)「『ドン・キホーテ』刊行400年記念稀覯書展示会」が15日まで京都外国語大学で開催中。ちなみに、明治期の松居松葉訳「鈍機翁冒険譚」、大正期の島村抱月、片上伸共訳「ドン・キホーテ(上下)」などが展示されるとのことだから上記の本もあるみたい。(がーん。15日って今日だった。すまった・・・)