神保町系オタオタ日記

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『本間久雄日記』

 

 『本間久雄日記』(平田耀子編著/2005.9/松柏社の解説中
 「三『日記』に現れる本間久雄の交友関係(四)出版・古書関係者」から


  洋書について、早稲田界隈でも良書がおいてあることがあった。当時の文学部よりほど近い進省堂など古書店をよくのぞき、和洋にかかわらず欲しかった書に偶然出会い買い求めることもあった。(中略)そして明治期の新聞に関しては東京大学明治新聞雑誌文庫の西田長寿(1899−1989)を訪れた。昭和34,5年頃、本間はほとんど五の日ごとに駿河台の古書会館に通っており、多くの場合古書会館で出品される品物を目録で見、電話予約し、古書会館にて受け取った。(中略)そして本間は駿河台の古書会館ばかりでなく、(中略)主として中央線沿線の古書店の寄り合いである荻窪会館の古書展や渋谷古書センターにも時折顔を出した。
  (中略)
  こうした古書展では、勝本清一郎野田宇太郎吉田精一、人見円吉、森銑三、石丸久小汀利得など同分野の学者や古書愛好家と出会うこともしばしばあり、美術品を好んだ早大の帆足図南次や国文学の中村俊定(1900−1984)と店頭で出会うこともあった。