神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

第2次『働く人の詩』の発行人としての中村泰

先日話題にした蒼馬社の中村泰だが、うっかりしてたが全大阪古書ブックフェアで同じく池崎書店から買った第2次『働く人の詩』(働く人の詩社)の編輯兼発行人でした。『『山河』解題・回想・解説・総目次・執筆者索引』(三人社、平成28年2月)の宇野田尚哉「別巻「戦後大阪詩運動資料」解説ーー須藤和光に触れながらーー」によると、

一九五一年、同欄(『夕刊新大阪』の「働く人の詩」欄ーー引用者注)のある常連投稿者が、黒崎貞次(ママ)郎に、『働く人の詩』が顧みられなくなっている現状を嘆き、ガリ版でもいいから復刊したいという思いを伝える長文の手紙を書き送った。その常連投稿者とは、一九四〇年代後半に西大阪工場地帯の日新化学(のちの住友化学)でブルーカラー労働者として働いていた頃に労働組合機関誌などに詩を書き始め、病気療養を経てホワイトカラー労働者となったのちには個人誌の発行も始めていた中村泰(一九二七〜)である。中村の手紙で動かされた黒崎は、足立(足立巻一ーー引用者注)に協力するよう指示し、ここに第二次『働く人の詩』が創刊されることとなった。(略)

第2次『働く人の詩』は昭和26年9月創刊で、4号(27年4月)まで発行された。私は3号(同年2月)と4号を入手したのだが、「鬼ぽん」こと「ゆずぽん」さんも同時に池崎書店から3号を入手していて、旧蔵者は2冊も持っていたのかと不思議に思っていたが、発行人自身の旧蔵であった。
(参考)「富士正晴や谷沢永一が感心した蒼馬社の中村泰が書いた「大都映画の話」

山河復刻版第2回配本(第3巻+別巻+別冊セット)

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