神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

明治

鴎外のトンデモ、露伴の非科学(その5)

鴎外の日記には、勿論トンデモではない人、例えば山田珠樹や、金尾種次郎なども登場して楽しめるのだが、そろそろ幸田露伴の出番としよう。 片岡貢司「太平洋のムー大陸」(『公論』昭和17年5月号所収)によれば、 この象形文字について傾日私は幸田露伴…

『明治人物誌』(星新一著)から

午後、二時三十分、熱海の寺沢別荘に杉山先生を訪問。(中略) 日米戦争説は英国の主張ならん。アジア救助。アジアの教興は ユダヤ人の利用にありと。英国の東洋における情熱。英米も救う ことができる。英米日、三国の協力・・・。広田君に手紙。話し 夕食…

岩波新書『宣教師ニコライと明治日本』(中村健之介著)から

「ケーベル教授が来た。かれはロシアからアウグスチヌス、 ジュコフスキーその他の本を取り寄せている。ところで、かれ の話によれば、三年前大学に着任したときは、学生たちはスペ ンサーとダーウィンに夢中になっていたのだが、いまはスペンサー やダーウ…

『青年小泉信三の日記』(小泉信三著)から

明治44年1月24日 教員室で永井荷風さんに阿部から頼まれた「ふらんす物語」の事を聞く。 同月30日 今日「ふらんす物語」の「巴里のわかれ」「黄昏の地中海」と「三田文学」所載、国枝史郎(原注:1886−1943。『神州纐纈城』の作者も、この年…

岩波文庫『新編明治人物夜話』(森銑三著)中「夏目漱石と文芸委員会」から

『ドンキホーテ』などという古めかしいものの翻訳は、島村抱月には、ありがたくない仕事であった。それで了解は得て置いたのであろうが、片上伸に代訳せしめて、やや後れはしたけれども、その方の訳も完成を告げ、これは植竹書院から刊行した。菊版の大冊で…