神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

広瀬正

幻の広瀬正原作のマンガ

星新一展には、柴野拓美とか『宇宙塵』とかも、もちろん出てきて楽しめた。さて、その『宇宙塵』だが、昭和38年9月号によると、宮崎惇や広瀬正が近く『週刊少年マガジン』のマンガ原作で登場の予定とある。確かに、宮崎は同誌10月6日号の、新連載忍者マンガ…

広瀬正の弟広瀬雅彦は宇宙画家になったか

『宇宙塵』53号(昭和37年2月)に、「カット、先号から芸大美術学部学生の広瀬雅彦氏にお願いしています。広瀬正氏の弟さんで宇宙画家志望」とある。この広瀬雅彦、ググると、講談社青い鳥文庫の宮澤賢治の本にイラストを書いている同姓同名の人がいる。賢治…

朝日ワンテーママガジン『20世紀ニッポン異能・偉才100人』から消された広瀬正

中野翠は『月刊ASAHI』1992年7月号の「20世紀日本の異能・偉才100人」の広瀬正の項目で、 SF小説にはあまり興味はないのだが、それでも広瀬正の『マイナス・ゼロ』『ツィス』『エロス』『T型フォード殺人事件』は夢中になって読んだ。 と書いている…

広瀬正とスカイ・トーンズ

『広瀬正・小説全集』第6巻の月報で大谷羊太郎が「二重の大先輩」を書いていて、『ミュージック・ライフ』昭和32年5月に「広瀬正とスカイ・トーンズ」が紹介されているとある。詳しいことを書いておられないので、初出誌から記録しておこう。 とにかく、この…

SRの会と広瀬正

『SR MONTHLY』145号(1972年6月)の桂千穂「広瀬さんのこと」から。 八、九年前。長谷邦夫氏−いまやパロデイマンガの旗手−をカタラって、怪奇小説の同人誌を、もくろんだことがある。 最初だったか、二回目かの打合せのとき、現われたのが、広瀬氏…

昭和40年における日本SF作家クラブ

大伴昌司編「日本SF人名鑑」というのが、『SFの手帖』(恐怖文学セミナー、1965年3月)に載っている。これで、広瀬正を見ると、 広瀬正(ひろせ ただし) 1 仕事の種類:創作 2 生年月日:一九二四年九月三〇日 3 出身地:東京 4 最終出身校:日大工…

最初は『マイナス・ゼロ』に関心がなかった司馬遼太郎

河出書房新社で龍円正憲氏の同僚だった藤田三男氏が、「タイムマシンに乗って戻ってきた−広瀬正・小説全集の完結」を『すばる』2009年3月号に書いている*1。 昭和四十四年、司馬遼太郎の第一エッセイ集『歴史と小説』のことで、足繁く司馬邸へ出向いた。司馬…

広瀬正と龍円正憲の出会い

珍しい資料ではないが、ネット上には出てないようなので記録しておこう。 広瀬正と長年親交があった加納一朗*1の話として、山村正夫『推理文壇戦後史4』の「多才な異色SF作家・広瀬正」にある一節*2。 出世作「マイナス・ゼロ」も、昭和四十年から『宇宙…

広瀬正の「後家探し」

先日の朝日の「売れてる本」は、瀧井朝世氏による広瀬正『マイナス・ゼロ』の紹介だった。全集の復刻後、担当編集者の瀧川修氏が、墓前に報告に行こうとしたが、墓が見つからなかったという。広瀬の来歴には不明な点が多いともあった。柳田泉ではないが、「…